従来型仏壇

日本古来の伝統工芸の技法を結集した豪華さが特徴の金仏壇や、木の色や木目を生かした落ち着きのあるシンプルな唐木仏壇。昔ながらの佇まいを感じさせる、心安らぐお仏壇です。

金仏壇

金箔と漆で仕上げられる金仏壇。
金仏壇は日本の代表的な伝統工芸作品であり、複数の職人による分業によって製作されています。
主に8つの工程【木地】【宮殿(くうでん)】【彫り物】【金具彫金】【塗り】【箔押し】【蒔絵】【組み立て】など、それぞれに専門の職人集団があり、その技術を統合して金佛壇はでき上がります。
材質は杉、欅、檜などが使用され主に大きさと宗派によって分類されます。
漆の塗る回数が多いほど耐久性に富み、また金箔の量や彫りの精巧さにより価格が違います。
日本古来の伝統工芸の技法を集結しすべての工程に真心を込めて手作りされた豪華なお仏壇です。

名古屋仏壇

沿革
元禄8年(1695年)、高木仁右衛門がこの地に仏壇専門店「ひろや」を創業したのが始まりとされています。東本願寺造営に参加した優れた職人たちが、良材「木曽檜(ひのき)」を用いて仏壇工芸を発展させ、今日の基礎を形成しました。

特徴
宮殿御坊造(くうでんごぼうづく)りを代表とする豪華な構造と、台の部分が高く、「みつまくり」を備えていることが特徴とされています。水害から仏壇を守るとともに、台の中に諸仏具を配置、収納するための生活の知恵の結晶です。

三河仏壇

沿革
三河仏壇の始まりは、江戸時代中期に遡ります。仏壇師が、矢作川の水運を利用して得られる松、杉、檜の良材と三河北部の猿投(さるなげ)山麓で採れた漆を材料として、仏壇を作ったのが始まりだと言われています。
その後、岡崎市内はもとより三河を中心とした地域で、仏壇作りをする人が増え、現在の三河仏壇の産地が形作られました。

特徴
三河地方では仏壇を押入れに安置する習慣だったため、押入れに合わせた高さ、奥行、幅と、その条件の下でいかに豪華に見せ、かつ拝みやすくするかに工夫が凝らされてきました。そのため台は低く、なげしは「うねり長押(なげし)」となっています。

唐木仏壇

紫檀や黒檀などの重量感のある美しい木目を生かした仏壇です。
お仏壇に用いられる唐木は、中でも強度に優れ、比重が高いのが特徴です。更に木理や杢目の美しいものが好まれます。このような優れた唐木、形・木目・材質に趣のある唐木は「銘木」と呼ばれ、銘木を用いてお仏壇を作りますので、時には銘木唐木仏壇とも呼ばれます。
固く傷がつきにくいのでお手入れがしやすいなどの特徴があります。
きらびやかな装飾などはありませんが、シンプルで落ち着きのある仕上がりになっています。
唐木仏壇はどのご宗派にもお使いいただけます。

代表的な木材

唐木仏壇に使われる材料は、主に東南アジア産の銘木(紫檀・黒檀・鉄刀木)を始め国産銘木(ケヤキ・桑・屋久杉・桜)、唐木以外の輸入銘木(メープル・オーク・チークなど)があります。心材・合板・ボードなども使用されることがあります。

黒檀・・・唐木仏壇を代表する高級木材が黒檀です。カシノキ科の樹木で、東南アジア諸島を主な原産地としています。黒地と木目の縞模様が美しいだけでなく、非常に硬くて重く、耐久性に優れています。

紫檀・・・黒檀と並ぶ銘木として、古くから仏壇の原材料として珍重されてきました。黒檀と比べて赤茶に近い色合いが特徴的で、黒檀が重厚感と力強さのある雰囲気に対し、紫檀はやわらかさと上品さを兼ね備えています。本紫檀はいまでは産出量が激減しており、ブビンガやパ-ロッサなどが使用されています。

・・・桑は全国各地で産出される木材ですが、銘木として使える木は、伊豆諸島で産出される「島桑」です。年輪が緻密で、美しい木目と粘りのある木材として知られています。江戸時代から江戸指物などに用いられていました。国内の銘木のなかでは、最高級の木材です。

欅(けやき)・・・欅は日本を代表する木材。磨くことで浮き出てくる光沢が大変美しく、赤みのある木目は仏壇だけでなく高級家具や伝統工芸品でも用いられています。また、昔から神社仏閣の建築材としても利用されてきました。

従来型仏壇 仏具

お仏像やお位牌など、宗派それぞれのお仏具をご用意しております。
仏具の素材も様々で、木製、銅器、陶器、金襴(繊維)、樹脂などでできており、素材によって価格なども違います。また仏壇に合わせ、仏具の大きさを選ぶことも大切です。

基本的な仏具

三具足(花立・火立・香炉)

花を生ける花瓶、お香を焚く香炉、ろうそくを立てる燭台のことを言います。
仏壇に向って左側に花立、中央に香炉、右側に灯明立を1つずつ置きます。

五具足(花立・火立・香炉)

花立2つ、香炉1つ、灯明立2つのことを指します。
仏壇に向かって中央に香炉を配置し、その両側に灯明を一対、さらに両端に花立一対を安置します。
宗派や仏壇の大きさに合わせて五具足か三具足を選びましょう。

その他の仏具

位牌
位牌は故人の俗名や戒名が記された木片で、故人の魂がこもった分身とされます。位牌を通して故人を思ったり供養したりすることで、故人を忘れることなく身近に感じられます。

リン
読経をする際に鳴らし開始を告げる仏具のこと。りん本体とりんを打つばち(りん棒)がセットで必要です。敬称をつけて、おりんと呼ばれることが多いです。読経中の句読点として鳴らすこともあります。

茶湯器
茶湯器は、仏様やご先祖様、故人に水やお茶をお供えするための湯呑のこと。ふたのついた湯呑が一般的です。仏壇に置けるような小さめサイズの湯呑で代用する家庭もあります。

仏飯器
仏様やご先祖様、故人にご飯をお供えするための器のことで、仏器(ぶっき)と呼ぶこともあります。ご飯を入れる部分が取り外せるタイプと一体型タイプがあり、素材や色、デザインは様々です。

高月
高杯は、お菓子や果物などをお供えするための高い脚がついている器のことです。脚を高くして仏様を敬う心を表します。

仏器膳
仏飯器や茶湯器をのせる横長のお膳のこと。一段高くして仏様にお供えするためのお膳です。

線香差し・マッチ消し
線香差しは、仏前に供えるお線香を立てて入れておくための器です。仏前では手で扇いで火を消すのが基本です。マッチ消しがあれば簡単安全に火が消せます。